「治らない」病気を治す。そこに価値があるのです。
ここに、一つのデータがあります。
このわんちゃんは、ある大学病院から免疫介在性溶血性貧血(IHA)および椎間板ヘルニアと診断され、大量の薬を飲んでいました。そのせいで、当院に来院したときはすでに歩けなくなっていたのです。
こんなにたくさん飲んでいてはいつまで経っても完治には至らず、かえって副作用が出ると判断し、薬を減らす目的で当院へ入院してもらいました。毎日の鍼治療を施した結果、入院期間中にステロイドを含む5種類の薬のうち、4種類をなくすことに成功しました。そして、退院を迎えたときには、ステロイド3/4錠を飲むだけに。薬を減らすことに成功したことで、このような数値になるまでの回復がみられたのです。
果たして、世の中に西洋医学の常識的限界を超越する医療は存在するのでしょうか?
もう、お分かりですよね?
そうです。鍼灸(東洋医学)こそが、西洋医学の「限界の先の治療」を実現するのです。
本症例
犬種:ウェルシュコーギー 体重:11.5kg
年齢:11歳 性別:オス
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投薬量の推移/Ht の推移
- 薬の見方
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- ステロイド(プレドニゾロン)=1錠5mg
- 免疫抑制剤(アトピカ)=1カプセル50mg
- 肝保護剤(グリチロン)
- ビタミン剤(ノイロビタン)
- 抗生物質(クラブラン酸アモキシシリン)=1錠125mg
- Ht(PCV)とは
- 血液全体に占める赤血球容積の割合です。貧血の病態を把握する指標になります。
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WBCの推移
- WBCとは
- White Blood Cellを略したもので、1マイクロリットル中に含まれる白血球の個数です。
免疫抑制剤等の投与では、一般的に白血球の数は減ります。
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GPTの推移
- GPTとは
- 肝細胞内に多く含まれている酵素で、これの血中濃度が高いと肝機能の障害が疑われます。ステロイドや薬物を何種類も投与すると、肝臓に負担がかかり、通常GPTは高くなります。
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ALPの推移
- ALPとは
- 肝臓でつくられるリン酸化合物を分解する酵素で、この値が高いと、胆道系の障害が疑われます。ステロイドが投与されると、GPT同様に数値が高くなります。
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4つのまとめ
作表の基となったデータをこちらからご覧いただけます(PDF形式)。
血液検査データ(その他病院)
完全血球計算データ(オーシャン動物病院)