院長より「ちょっと三言」

01「必ず治る!」という情熱を持ってください

ある時、ヘルニアを抱えたわんちゃんの飼い主さんから、こんな質問をされたことがあります。

「針でヘルニアは治るんですか?」

私は即座に「治りますよ」とお答えしました。

すると飼い主さんが、またこんな質問をされます。

「今○○○に住んでいるのですが、こちらは家からちょっと遠いんですよ。うちの近所に、先生の知り合いの獣医さんはいませんかねぇ?」

本当に存じ上げなかったので「いえ、いらっしゃいません。」とお答えしました。

程なくして、飼い主さんは当院へ通って来られるようになりました。

治療の甲斐あってそのわんちゃんは歩けるようになりましたが、するとその飼い主さん、今度はご自身の持病について私にお尋ねになりました。
「“(腕の)いい鍼の先生”を知りませんか?」と。

そうです。自分の飼っている犬の病気では、治療内容はそこそこでも“近くの”病院がいい。
しかし、いざ自分自身の体のこととなると、家から遠い近いは関係なしに、“上手(うま)い鍼の”先生がいい、となる。
自分の体を診てもらうのに、「そこそこいい先生」レベルでは困るわけです。

私がこの話を引き合いに出したのは、「どんなに家が遠くても、とにかくうちの病院にきなさい!」ということを言いたいからではありません。
いや、ちょっとは言いたいのかもしれませんが(笑)。

私が本当にお伝えしたいのは、わんちゃんに治療を施すにあたっての情熱として、飼い主さんが家から遠い近い云々を言っているようではダメですよ、ということなのです。
あなたの足と同じように、わんちゃんの足のことを考えて欲しいのです。

飼い主さんの情熱。治療の根底にそれがないと、治る病気だって治らないのです。

「大切なこの仔の病気を治すために、絶対に治してくれる病院を選んでやるんだ!」
そういう、熱い気概を持って治療に臨んでいただきたいのです。

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